産経ニュースに下記のような記事が載っていました。
高速道路を通行するすべての自動車が自動料金収受システム(ETC)を搭載した場合、現金専用レーンの建設費や人件費などのコストを3千億円前後削減できるとの試算を、国土交通省がまとめたことが11日、わかった。国交省は来年度にも首都圏の高速道路で、ETCを搭載しない「現金車」を対象に通行料金を値上げする方向で検討中で、将来的には搭載の義務化も視野に入れている。わずか1割の現金車がもたらす「不公平感」を数値化することで、そうした施策への理解を得たい考えだ。
高速道路、完全ETC化で3千億円のコスト削減可能 国交省が試算 非搭載車はわずか1割 – 産経ニュース
んー確かに これは不公平ですね!
と言いたいところですが、よく考えてみると非常にこの論点はおかしい。
ETCが普及して正直便利になりました。
料金支払いの渋滞は緩和され、料金も安くなった。
車をよく利用する人の殆どはETCを搭載しています。
しかし、この記事を見るとこれだけ便利なETCにもかかわらず1割の人が未だ現金で支払っているようです。
この記事はその1割の人が悪いような雰囲気で書かれていますが、では、なぜこの1割の人はETCにしないのでしょう?
その原因を改善していくのではなく現金支払を値上げしてETC使用を促すというのは、なんとも強者の考えのように思えてなりません。
ETCを使わない人の理由として私が考えるに
- ETCカードの審査が受からない
- クレジットカードを作るのに抵抗がある
- 差押等でETCカードが使えない
- 高速道を殆ど使用しない
- 古い車のためETCが搭載されておらず、それ程高速道路を使用しないのでそのまま
- ETCカードを忘れた
- ETCカードの有効期限が切れていた
- 普段車を持っていなくレンタカーなのでETCカードを作っていない
- 外国人旅行者でレンタカーを使用
あげてみると、ほとんどの場合致し方ない場合が多いと思うのです。
破産などをした人や、自由業でクレジットの審査が受からないって人も多いはず。
現在は調べてみると年会費と高額なデポジットを担保に無審査でETCカードを作る事ができるようですが、それほど高速を利用しない人にはちょっと抵抗感があると思います。
そもそも昔はみんな現金払いで、それが基準だった筈が、いつの間にかETC利用が標準であるかのように書かれ、現金払いの人のせいで、まるで税金が無駄遣いしているように扇動しているように見える。
もちろん、全ての問題をクリアできて義務化、結果、高速代が安くなるのであれば喜ぶ人も多いかも知れないが、実際この手の件は義務化しても値段はたいして安くならない場合の方が多いのではないでしょうか?
そもそも建前では高速道路は通行料金の収入で高速道路拡充、補修を行っているので(専門家ではないので、間違っているかも)本来は税金とは無関係な筈です。
とは言え、経費が安くなれば、新たな高速道路を作るなどの費用に回せ、結果的には利用者の未来の得になる事は理解できるので、問題が解決できれば反対しているわけではありません。
殆ど使われない施設を高額な費用を投入して作るような、建設業にしか利得がないような物に使うのとは違い、料金所に置く係員の人件費と言うのは無駄遣いではなく、必要な経費だと思うのです。
経済と言うのは、お金が回る事によって発展する物であって、なんでもかんでも機械にしてしまっては、逆に経済が回っていかないのではないか?と思っています。
まあ、義務化するのであれば、ETCは費用の面で平等(デポジットなし、審査なし、年会費なし)で配布する事を約束し、一時滞在の外国人などのケアの仕方など、アイデアを見せてから論議するべきだと思います。
今のままだと、値上げする理由を無理やりつけて納得させようとする裏が見えるだけですよね。だって、本来は不公平感を軽減させるならば、現金払いの人の値上げではなく、ETCの人の値下げでも良いわけですから。
しかし、こんな記事を書く産経新聞もどうかしてるよね?
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